公明党の漆原良夫中央幹事会会長は6日午前、東京都新宿区の党本部で記者会見した。この中で、2017年度税制改正に関して、政府・与党が公明党への配慮で配偶者控除の廃止を当面は見送る方針を固めたとの一部報道に対し、同日の中央幹事会で北側一雄副代表が「具体的な制度設計について財務省や自民党から何も聞いていない。従って、(同控除廃止に)反対だとか、困るとか言える段階、立場でもない」と述べたことを紹介。公明党が働き方改革を先送りしているように捉えられる報道内容について、不快感を示した。
配偶者控除は、専業主婦やパートで働く妻がいる世帯が対象。妻の年収が103万円以下の場合に夫の税負担が軽減される。女性の社会進出を促すため、17年度税制改正では同控除を廃止し、共働き世帯も対象の「夫婦控除」を導入する案が挙がっている。一部報道では、公明党の支持層に専業主婦世帯が多く、来夏には都議選も控えているなどとして、公明党が改革に慎重と報じられた。
漆原氏は北側副代表の発言について「党として改革の方向性は理解している」との前提に立った話だったと説明。夫婦控除の代わりに、配偶者控除が適用される年収制限を引き上げる案が浮上している点に関しても、財務省などから説明を受けていないと述べた。