〇本日より、統一地方選挙が開始されました。本日の知事選を皮切りに、道府県議と市区町村の首長、議員と順次選挙戦が開催されます。
地方選では国政選挙と異なり、地域住民の身近な問題が争点となります。その意味では、国民の生活に最も身近な大事な選挙と言えます。
今、私たちの暮らしは、未だかつて経験したことのない二つの大きな難題に直面し悲鳴を上げています。
その一つは、少子化問題であり、二つ目は、物価高騰問題です。
〇新生児の出生数は、年々減少傾向にありますが、昨年はとうとう80万人を切ってしまいました。
1970年代の新生児の出生数は240万人と言われていますから、50年間で約3分の1に減少したことになります。このままでは、日本経済の活性化が失われるのみならず、年金や介護の制度も維持できなくなります。(50前年は、7〜8人の現役世代が1人の高齢者を担っていたのですが、これからは、1人の現役世代が1人の高齢者を担っていかなくてはならなくなります)。
岸田内閣は、「異次元の少子化対策」に取り組むと宣言し、少子化問題を福祉の延長から内閣の中心的課題に位置付けたことは、大変正鵠を得た決断だったと評価致します。また、子供政策に特化した「子供家庭庁」が4月1日に新設されることからも時宜を得た判断だと思います。
公明党は、子育て対策として「経済支援3本柱」を提案しています。
1, 児童手当の大幅な拡充・・・対象を現行の「中学卒業まで」から「18歳まで」に広げ、所得制限撤廃と支援額のアップを目指します。
2, 子供医療費の助成拡大・・・高校3年生までの無償化を目指し、子供医療費の助成拡大を推進します。
3, 保育無償化・・・0〜2歳児保育料の無償化も所得制限の緩和や第2子以降の無償化など、段階的に対象を拡大します。
現在、政府・与党一体となって岸田内閣の提唱する「異次元の少子化対策」の作成に取り組んでいますが、公明党の主張が盛り込まれるよう全力で推進して参ります。
〇電気、ガス、ガソリンから食料品、お菓子や卵まで、値上がりしない物はありません。
その要因は、ロシアのウクライナ侵攻、歴史的な円安やコロナの長期化などによるものですが、国民の暮らしは、待った無しです。日々高騰する物価に押し潰され悲鳴を上げています。
政府は、物価高騰対策として@当面の対策として予備費を使った対策、A長期的対策として「物価上昇率を超える賃金の増額」を挙げています。
(予備費を使った物価高騰対策)
・昨年公明党の主張で実現した電気・都市ガス料金の負担軽減策・・・標準的な家庭で1月分〜9月使用分まで総額4万5000円の軽減・
・追加の物価高騰対策(3月22日付)・・・低所得者の子育て世帯に5万円を給付し、自治体の物価高騰対策を支援するために「地方臨時交付金」を1,2兆円の積み増し。
特に「地方臨時交付金」は、自治体が地域の実情に応じた施策に使えるもので、地域の実情に応じたきめ細やかな支援が期待されます。例えば、@LPガスの負担軽減、A電気使用量の多い事業者への支援、B酪農家への支援、C低所得者世帯に1世帯当たり3万円の給付、などが検討されています。
(賃金増額による物価高騰対策)
・賃金が増額しても、物価の上昇率の方が高いため、実質賃金はマイナスです。
岸田総理は、「成長」と「分配」の好循環の下で、「物価の上昇率を上回る賃金の上昇の実現」を目標として掲げられました。この問題は、一強と言われた安倍内閣でもなしえなかった課題です。岸田総理の「決意や良し」と大いに賛同致します。
・政労使会談も行われ、今年の春闘は満額回答が目立ちました。しかし、カギを握るのは7割を超す中小企業です。
公明党は、原材料高に見合う価格転嫁や、下請け取引の適正化などで賃上げできる環境づくりに全力で支援します。また、農林水産業の支援として肥料・飼料価格の高騰対策も引き続き支援いたします。
〇公明党は、「大衆とともに」を立党精神とする政党です。国民の暮らしを守るため、全国3000人のネットワークを駆使し、この少子化問題と物価高騰問題に全力で取り組んでまいります。
以上
2023年3月23日
公明党元衆議院議員 漆原 良夫