令和4年6月15日
【第8弾
 
参院選、今こそ骨太の議論を期待する

 

〇2022年通常国会が、本日閉会となりました。皆さんのご協力に心より感謝申し上げます。

参院選が、6月22日公示、7月10日投開票と決まりました。政治は、参院選に向けて一瀉千里に走り出します。
2月24日のロシアによるウクライナ侵攻は、日本経済やの安全保障及びや憲法改正論議に大きな課題を突き付けました。
本来ならば、党首討論で国のあり方について活発な議論がなされることが望ましいのですが、残念ながら今国会中党首討論は一度も開かれませんでした。誠に残念です。

本日から、事実上の選挙戦が始まります。日本の大きな転換期です。先を見据えた、骨太な論戦が展開されることを期待いたします。

〇5月23日、日米首脳会談が行われました。その際、バイデン米国大統領から「揺るぎない拡大抑止の確保」の表明がなされ、これに対して岸田総理は「日本の防衛力の抜本的強化」と「防衛費の相当な増額」を約束されました。
「日本の防衛力の抜本的強化」の中身は明らかではありませんが、日米安保条約上の日米の役割分担(盾と矛)、専守防衛・必要最小限の防衛力の原則、非核3原則など政府のこれまでの政策との整合性を議論する必要があります。
また、バイデン大統領は、台湾有事における米軍の軍事介入を明言されました。沖縄には、米軍の基地があります。台湾有事は、日本有事となりうるか。国民の関心事です。


〇エネルギー・食料などの価格高騰が、国民生活を圧迫しています。
世論調査では、「生活に打撃を受けている」が77%、「政府の物価対策を評価しない」が64%となっています。野党は、「岸田インフレ」などと批判をしていますが、物価高騰から国民生活をどう守るか、参院選の大きな争点です。
総理は、今回の物価高騰は「ロシアによる『有事の価格高騰』だ」と指摘し、エネルギーなどの物価上昇に対応するため政府内に「物価・賃金・生活総合対策本部」を設置することを発表しています。

1日も早く、国民が納得する具体的な対策が打ち出されることを期待します。
更に、岸田総理は「骨太の方針」において、「資産所得倍増計画」を打ち出しました。幅広い世代の個人の資産を株式市場の投資に向かわせようとするものです。

しかし、昨年の総選挙での岸田総理は、「成長と分配の好循環」のために「所得倍増計画」によって、分厚い中間層の構築と格差の是正を目指されていたと認識しています。いわゆるアベノミクス路線からの転換です。
「所得倍増計画」から「資産所得倍増計画」の変更は、経済の「成長」に重きを置くアベノミクス路線への回帰ではないのかという疑問です。
岸田総理の看板政策である「新しい資本主義」の内容を明確に示されることを強く望みます。

〇混迷の時代には、政治の安定が必要です。自民党、公明党の安定した連立政権こそ、今の日本に最も必要とされる政権であると確信をしています。

最後になりましたが、皆様の益々のご発展とご健勝を心よりお祈り申し上げます。 

以上

2022年6月15日

公明党元衆議院議員
弁護士 漆原 良夫